【大人も子供も読みたい絵本】『愛するということ』 愛する気持ちを育む絵本 【石﨑健太】

「愛すること」の本質をみつける絵本


こんにちは、管理人のMiicoです。

今回は、大人にも子供にも読んでもらいたい、心温まる一冊の絵本をご紹介したいと思います。
絵本のタイトルは『愛するということ』。「愛」をテーマにした物語です。作者は石﨑健太さん。


私たちは人生の中で、沢山の人を好きになります。
はじめはお母さん、お父さん、続いて兄弟・姉妹、そして、時折お菓子をくれるおばあちゃん、おじいちゃん。
家庭の中で沢山の愛を受け取って、子供はやがて、自分以外の人間に興味を持つようになります。

幼稚園や保育園に通うと、保育士の先生やたくさんの園児との出会いがあります。

はじめは知らない子たちに囲まれて、少し戸惑いながらも、魅力的な遊具や遊びに誘われて、いつの間にか、一緒に遊ぶお友達がそばにいるようになります。

その中で、自分が特に好きだと感じたり、仲良くしたいと思うお友達と出会うこともあるでしょう。
ですが、自分の好意を相手が必ずしも、すんなりと受け取ってくれるとは限りません。

相手が自分に興味を持ってくれなかったり、間違った気持ちの伝え方をしてしまい、誤解をされたり、喧嘩をしてしまったり。相手が自分の思ったとおりのリアクションをしてくれるとは、必ずしも限らないため、相手のためを思ってした行動が思わぬ結果を生んでしまうことも、時にはあるでしょう。

自分の気持ちをどのようにして相手に伝えたらよいのか。子供の間でも人間関係は難しいものです。


今回ご紹介する絵本は、人間関係を築くうえで大切な「愛するということ」がどのようなことなのかを伝える物語です。


ここでいう愛とは、恋人や夫婦同士の間だけのものではなく、家族や友人、自分への愛も含みます。
子供に「愛」なんて難しいのではないかと、思われるかもしれませんが、私たちは普段、あまり意識をしていないだけで、たくさんの愛に囲まれて生きています。

相手に対するちょっとした気遣いや親切、日々のささやかな言葉がけなども、相手に与える「愛」の一部です。今回ご紹介する絵本は、そんな身の回りの「愛」について考えるきっかけを与えてくれます。





【絵本】『愛するということ』のあらすじ

お母さんと一緒に暮らす、主人公の「まんまるくん」は道むかいの「リボンちゃん」のことが大好きです。「リボンちゃん」と「まんまるくん」は今日も仲良しのお友達と森で遊んでいます。「リボンちゃん」は木に登るのが大好きで、とても楽しそうに木に登ります。でも、「まんまるくんは」「リボンちゃん」が怪我をしないか心配です。そのとき、「リボンちゃん」が足を踏み外し、高い木の上からまっさかさまに落ちていってしまいました。「まんまるくん」は「リボンちゃん」を助けるために、無我夢中で走ります。「まんまるくん」は自分をクッションにして「リボンちゃん」を助けましたが、「リボンちゃん」は自分自身に何が起こったのか、理解ができません。「わたし、あなたに助けてもらわなくても平気だもん!」リボンちゃんは「まんまるくん」に向かって怒りました。「まんんまるくん」は大好きな「リボンちゃん」に嫌われてしまい、落ち込んでしまいます。

「まんまるくん」は「リボンちゃん」を守るために、身を挺しましたが、それが「リボンちゃん」には上手く伝わらず、相手を怒らせてしまいました。なんだか少し悲しいような、切ない気持ちになってしまいますが、この気持ちをどうすればよいのかがわかりません。

皆さんなら、このようなことがあった時、お子様に何を伝えますか?




本作の魅力を作者の石﨑健太さんにインタビュー!

愛とは何かを伝える絵本、『愛するということ』は2022年8月28日にAmazonにて販売が開始します。
作品公開にあたって、作者の石﨑健太さんより、絵本制作にあたっての想いをお伺いできました。

石﨑健太さんによると、本作をつくるにあたっては、「愛が伝わらない」と悩み、「愛するということの本質」を模索した、石﨑さん自身の過去が背景にあったといいます。


当時の石﨑さんは、恋人であれ、友人であれ、家族であれ、好意を伝えるということが不得意で、人に気持ちをどのように伝えればよいのかということに悩んでいました。

ですが、振り返ってみれば、好意を伝えることは、とても簡単なことで、「感謝の気持ち」を相手に伝えるだけで十分なのです。


「あなたがいてくれてよかった」


その一言を相手に伝えるだけで十分なのです。





ところが当時の石﨑さんは、その言葉を述べる勇気がなかったといいます。


「相手に変な風に思われたらどうしよう」
「嫌われたらどうしよう」

そういった不安にさいなまれ、結局自分自身の気持ちを上手く表現できずにいました。

しかし、ある日気づいたのです。東日本大震災の発生に巻き込まれたり、新型コロナウィルスが流行で尊い命が失われたりと、人間は常に天災と直面しており、いつ大切な人の身に、そして私自身の身に、何が起こるのかは、決して誰にもわからないということに。


それならば、今、好意を伝えるしかありません。



想いを伝えることは、一種の「賭け」なのかもしれません。
好意を伝えることによって、相手に誤解されてしまったり、避けられてしまったり。

そのような、不安が現実となってしまうこともありますが、想いがきちんと相手に伝わると、相手も自身も幸せになることができます。「愛する」ということには、ときには「勇気」も必要なのです。




その一方、石﨑さんは「愛さえあれば何をしても構わない」という一方的で身勝手な「誤った愛」を戒める一文を作中に含めているといいます。ストーカーや DV など、たとえ相手に好意があっても、犯罪行為でしかないのです。


また、本作には「その勇気は、好きなひとに、ゆびわをあげることよりも、ずっとずっと、たいせつなことなのよ。」という一節があります。この一節は、「ゆびわ」を交わしさえすれば、永遠の愛が手に入るという誤った思い込みへの揶揄を含めているといいます。


「結婚指輪」に例えるならば、相手を愛する勇気を常に持ち続け、相手を思い遣ることで、初めて永遠の愛を得る資格に巡り合えるのであって、「結婚指輪」をあげただけで無条件に永遠の愛が訪れるわけではないのです。


『愛するということ』は、このような石﨑さんの想いが詰まった一冊です。

作品は子供向けでわかりやすいように、ひらがな中心の構成となっていますが、本作は「愛」に悩んでいる大人の方に向けた作品でもあります。お子様の情緒を育むだけでなく、自分自身の経験から「愛」について考え直す機会として、読み聞かせの一冊に、是非選んでいただければと思います。




【Youtube版】『愛するということ』



本作はYoutubeでも一般公開されております。気になった方は是非一度ご覧になっていただければと思います。また、書籍の購入はコチラのページから手続き可能です。







著者紹介 石﨑健太

平成5年(1993年)7月28日生まれ。東京都荒川区町屋出身。東京都立産業技術高等専門学校・卒業(準学士(ものづくり工学))。首都大学東京(現・東京都立大学)理工学研究科物理学専攻博士前期課程・修了(修士(理学))。





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